ドラえもん展-森アーツセンターギャラリー
六本木の森アーツセンターギャラリーで行われた現代作家によるみんな大好きドラえもんの展覧会。
自分だけのドラえもんを作ってくださいというシンプルなコンセプトにも関わらず、壮大なドラえもんワールドが広がる楽しい展覧会だ。
この展覧会行かずして、私の美術史ストーリーは語れない。
というのも、実はドラえもん展は十五年前に一度行われていた展覧会でなのである。当時も現代作家による様々なドラえもんが展示されており、当時6歳の私は両親に手を引かれて行ったのだ。その時の会場は横浜のそごう美術館であり、家族旅行で横浜に遊びに来た時に訪れていた。
その時に見た作品が奈良美智さんのドラミちゃんだ。テレビで見ていたのとかなり雰囲気が違うのとなんだか怖かったのか私の美術館の最古の記憶となっている。
「リボンをジャイアンに取られたドラミちゃん」という作品・・・。どうやればこんなテーマが思いつくんだろう・・ちょっとドラミちゃん色っぽいし。
今回の展覧会でも15年前に見た同じドラミちゃんが展示されていて感動した。15年前に見た作品が今、目の前にあることに嬉しくなった。だってその当時6歳だよ!?
この展覧会を監修している山下先生が私が大学でお世話になっている先生なので、これもまた何かのご縁な気がしてくる。当時のドラえもん展は未来の伏線だったのかも。
今の日本の美術界の第一線で活躍されているアーティストから、山下先生一押しのまだ無名だけどすごい作品を作り出す若手のアーティストまでが生み出す様々なドラえもんワールド。ドラえもんって知らない日本人、いるのかな。
では、さっそくどんな作品があったかをピックアップ。
まずは、入り口に村上隆さん。
壁一面に大きな作品。村上さんの代名詞ともいえるニコニコなお花とドラえもんが描かれている。15年前もこのニコニコなお花をモチーフにドラえもん展に出展していた。
Mr.は本名非公開、出身地キューパという架空都市(Wikiには埼玉県と書かれているけれど・・・)という謎に包まれた男性アーティスト。この方は横浜トリエンナーレにも出展していた。アニメタッチで描かれているけれど、普段は美少女アニメ風な作品を手掛けている。実は、村上隆さんの弟子であり作風には村上さんのスーパーフラットが影響されている。
我らの会田誠さん!!!久しぶりに会田さんの作品見てうれしかったな。シャワーを浴びる透明なしずかちゃん。この作品見て思うけれど、会田さんは本当に色んな画風を手掛けるのだなあ。まさに「天才でごめんなさい」な人だ。この作品も会田ワールド全開。
山口晃さん。予告やツイッターでタケコプターの作品かと思っていたら漫画ですか!!しかもドラえもんとのび太君がとてもかわいい。漫画のあらすじはゆるいんだけれど、どこか哲学チックだった。現代美術好きな人なら会田派と山口派に分かれるのではないでしょうか。私はどちらも大好き。
一番楽しみにしていたのは漫画家のしりあがり寿さんの映像作品。この作品は撮影が禁止されていたので画像はありませんが、最高の作品だった。終始大爆笑。しりあがりさんオリジナルのドラえもんアニメなのだけれど、のび太君のお母さんの声をしりあがりさん本人が担当している。しりあがりさんは2016年の練馬区美術館で行われた回転展でハマった方でなんというか、底なしの人ってカンジ・・・・。
こちら、先生一押しの駆け出しアーティスト近藤智美さんのドラえもん。この方はちょうど一年前くらいにヴァニラ画廊で個展をされてて実際に見に行った方でもある。(本人もいらっしゃって声をかけたかったけど勇気が出ず・・・)こんなに摩訶不思議な作品になってました。エッシャーみたい。一緒に行った連れがお気に入りだと言ってクリアファイルを購入してた。
展示室の途中には過去のドラえもんの映画作品の一覧が映像作品となっているスぺースもあった。一緒に訪れた連れは泣く子も黙るドラえもんマニアであるので、私がこれは何かと指さす作品を全て解説してくれ、リメイク版との違いなんかも熱く語ってくれた。現代美術のコーナーでは私が作品解説をし、ドラえもんコーナーになれば連れが解説をする最強タッグで行くドラえもん展だった・・・・。
この展覧会、大盛況で土日になると待ち時間が発生するほど。内容も楽しくて、美術館に普段いかない人や、子供連れにも楽しんでもらえる素敵な展覧会。グッズもカフェメニューも大変充実してて、私は久しぶりにミュージアムショップでかなり散財しました。図録も素晴らしいので見る機会があればぜひ見てほしい。
東京展は終了してしまいましたが、今度は富山県の高岡の美術館に巡回されます。なぜ、高岡なのか察しの良い方は気づいてくださるはず!!
ドラえもん、今まであまり意識してみたことなかったけれど、よく見るととてもかわいいな・・・・・。