おうちで美術館 切手①
コロナで開館している美術館・博物館が限られている中、身の回りにある美術を探してみたく、今回は「美術」にまつわる切手を紹介します。
2020年3月19日に発売したばかりの「特殊切手 美術の世界シリーズ」。
青が特徴的な美術作品が切手にあしらわれています。
63円84円切手それぞれに重なる図像もあれば、片方のみに採用されている図像もありました。
63円切手に使われている作品はこちら
上段左から
《染付兎水葵図大皿(部分)》伊万里焼 東京国立博物館蔵
酒井抱一《四季花鳥図巻(部分)》東京国立博物館蔵
葛飾北斎《富嶽三十六景 甲州石班沢(部分)》すみだ北斎美術館蔵
上村松園《待月》足立美術館蔵
並河靖之《紫陽花図花瓶(部分)》七宝 清水三年坂美術館蔵
下段左から
黒田清輝《湖畔(部分図)》東京国立博物館蔵
横山大観《雲中富士(部分)》東京国立博物館蔵
オディロン・ルドン《ペガサス・岩上の馬》ひろしま美術館蔵
マリー・ローランサン《ヴァランティーヌ・テシエの肖像(部分)》ポーラ美術館蔵
クロード・モネ《睡蓮》アサヒビール大山崎山荘美術館蔵
《湖畔》や《富嶽三十六景》は「青」のイメージが強いのでなるほどと思う一方で、ルドンの選出にびっくり。
このペガサス、お初の作品でした。
西洋美術史畑の人にはお馴染みの作品なのかな?
大観の富士山だけ、作品の形に添って切手シールとなっているのもおもしろい。
ニセ琳派な感じ(当然意識はしているだろうけど)がかえって愛おしい作品でもある。
84円切手に使われている作品はこちら
上段左から
《染付兎水葵図大皿》伊万里焼 東京国立博物館蔵
酒井抱一《四季花鳥図巻(部分)》東京国立博物館蔵
葛飾北斎《富嶽三十六景 甲州石班沢》すみだ北斎美術館蔵
竹内栖鳳《アレ夕立に》高島屋史料館蔵★
中段左から
黒田清輝《湖畔》東京国立博物館蔵
横山大観《雲中富士(部分)》東京国立博物館蔵
下段左から
オディロン・ルドン《グラン・ブーケ(大きな花束)》三菱一号館美術館蔵★
マリー・ローランサン《ヴァランティーヌ・テシエの肖像》ポーラ美術館蔵
クロード・モネ《睡蓮》国立西洋美術館蔵★
並河靖之《紫陽花図花瓶》七宝 清水三年坂美術館蔵
※★印は63円切手には見られない作品。
大部分は63円切手で部分で印刷されていたものが全体図となって印刷されていた。
84円切手では兎の大皿が形に沿って切手シールになっているのね。
そんな中、84円切手では選手交代で3作品が入れ替わっていました。
ここで拍手を送りたいのが竹内栖鳳《アレ夕立に》!
チョイスが素晴らしい。
63年切手の松園の女性像と対にした意識が感じる。
松園も栖鳳も明治期に関西で活躍しており、当時は双方トップレベルで人気を博していました。
この作品、一度本物を見てみたいな。
一方でモネとルドンが作品の選手交代。
同じ《睡蓮》で構図が酷似している国立西美のモネ・・・。描かれている向きもまんま同じ。
所蔵先が描かれていないと気付かない人も多そう。個人的にインパクトがとても薄い。
そして、ルドン。
ルドンといえば、《グラン・ブーケ》のイメージが「青」!って感じで、日本の美術館が所蔵するルドン作品の中で最も有名なのでは。
個人的には、岐阜県美術館のモンスターみたいなかわいいルドンも好きだけど、あの作品は今後展開される(であろう)「黒」シリーズかな・・・・?
切手をそれぞれ見比べてみると、全体的にパキッとした色合いよりも、ふんわり優しい青色を基調とした作品が選出されている印象。
美術に関する切手は昭和の切手ブームの頃から度々取り扱われているから、デザインとなる美術作品にも限りがあるのかな。
光琳のカキツバタなんてまさに「青」!だけど、すでに起用されているしね。
抱一の《夏秋草図屏風》もすでに起用されているけれど、切手になったのはどうやら「秋」の左隻らしく(しかも50円切手)、調べた限りでは、水が描かれている夏の右隻部分は切手になっていないみたい・・・・?
個人的には抱一の右隻も「青」のイメージが強いな。
こうした特別な切手は使わずに取っておきたい・・・という気持ちもあるけれど、まごまごしている内にまた切手も値上げされていくと思うので、ガンガン使っていきたいと思います。
保管はしない派。(使ってちょっと後悔しちゃう派・・・・)